譜例8. 第一主題のモチーフに使われるリズム(「ポンセのソナティナ〜その2〜」の譜例4再掲)。
125小節目からは,展開部もいよいよクライマックス。教科書通りのオルゲルクンプトです。ただし,主調Dに対する属音A音の低音連打と言うよりも,ペダル音を保ちながら和音を変えながら上り詰め,頂点からはヴィラ=ロボス的なギター独自の偶成和音を伴って半音階で降りてきます。ここのオルゲルクンプト(的部分)は,第一主題の中に現れる音型を使って自然に推移します。最後は増和音の機能を用いて再現部(第141小節〜)に突入します(つづく)。 譜例9. 展開部集結部の盛り上がり部(原典版)。
*Miguel AlcázarのObra Completa para guitarra de Manuel M. Ponce掲載による。
**ソナタ第二番は逸失。
***Miguel AlcázarのObra Completa para guitarra de Manuel M. Ponce, pp.93-94による。Ponce Guitar Works Urtext (Schott 2006)の採譜では「ソナティナ」と同様の書き方になっているので,もしこれが原譜どおりなら,「ソナティナ」は2例目という事になる。
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