メンタルと技術

メンタル面と,演奏技術とは別物と考えがちですが,大いに連動している気もします。

最近当方が過度な緊張に陥るパターンは,右手のマヒです。昔長女と連弾でピアノ発表会に出た時は両手がマヒしましたが,緊張により肩に力が入り,それにより弾けない焦りが更に緊張を高めると言う悪循環に陥ったものでしょう。


この様な良くないフィードバックループを断ち切るにはどうしたらよいのでしょう?制御理論によれば,フィードバック系の不安定性を改善するにはゲインを下げる必要があります。

ゲインというのは,入力に対する出力の比ですが,演奏の入出力関係を定量化するのは難しそうなので,ごく定性的な言い方をすれば,何であれ過剰反応を避ける事です。その調整が難しいとすれば,何も反応しないのがまだマシなのですが,「自らの意思ではどうしようもない」のだとすると,それは外乱という事になります。その外乱を打ち消すには正常なフィードバックが必要だと,これではいたちごっこになってしまいます。


安定化するために明らかに言えることは,系の要素を外乱の少ないもの,すなわち性能を上げておく必要があります。まずはアタマを明晰にしておく事と耳を澄ます事が重要でしょう。また,予めハードウェア(自らのアタマと体の事を指しています)の性能を上げておく事も必要でしょう。すなわち制御安全ではなく本質安全を目指す事です。


当方含めアマチュアの特性として,弾く曲ばかりを通しで闇雲に弾きます。しかし,これはあまり良くない気がします。正常に弾けている状態の練習にはなっても,乱れ掛けたときの練習にはなりません。従って,発表会直前であっても,弱点をカヴァーする基礎練も必要でしょう。逆説的ながら,緊張して動きにくくなりそうなパターンを積極的に練習しておく事が必要でしょう。


動き難くなるパターンは人によって違うようですが,当方の場合右手です。
その対策としては力みの抜けたフォームと基礎練習でしょう。精神的緊張の前に身体的緊張を抱えて無いか?むろん両者は連動します。当方の場合,特に動きにくくなるmaの動きのチェックです。肩の力がしっかり抜けた状態で演奏開始する事,通し練習ばかりでなく,アブナイところの部分練習も必要でしょう。「部分練習したところは大丈夫だが,何でもないところを間違った!」という事も良くある事で,それもやはり基礎練でしょうか?如何に適度な緊張でもって音楽にハマりこんで安定した演奏が出来るか?まあ言うは易しですが。

The Guitar Gymnasium: A Mental and Physical Workout Designed to Develop Flawless Technique

The Guitar Gymnasium: A Mental and Physical Workout Designed to Develop Flawless Technique

  • 作者: Hill, Robin
  • 出版社/メーカー: Mel Bay Publications, Inc.
  • 発売日: 2015/06/05
  • メディア: ペーパーバック
この書籍が本記事に直接関係するわけではありません。

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