シャコンヌを弾いてみる〜練習方針〜

かつて巷間言われたほどの難曲ではないですが,とはいえ,チョロっと弾けるものでもありません。
10年以上弾いていないので,殆ど手は覚えていません。
ひと通り譜読みしてみて,引っかかるのはやはりスケールです。

ヴァイオリン曲ですから,鍵盤曲やリュート曲の様に多声が絡み合う難しさはありませんが,そのかわりスケールが走りまくります。このスケールを克服するのがポイントです。

一種の変奏曲で,長いので,各奏毎に見て行くのが良さそうです。

スケールの種類ですが, このシャコンヌは主調がニ短調ですから,むろんニ短調のスケールに慣れれば良いわけです。
ただこの「ニ短調」。ハ長調やニ長調のスケールは練習曲などでそこそこ弾きますが,短調は余り練習としてやりません。

技術的には,平行調(ハ長調に対してイ短調,ニ長調に対してロ短調など)と同じでは?と思われるかもしれませんが,短音階には種類があります。
「自然短音階」ならばニ短調の平行調であるヘ長調と音自体は同じですが,短音階にはそれ以外に「和声的短音階」と「旋律的短音階」があります。

Scales-1.png
「シャコンヌ」に使われるスケール
それに加え,同主調のニ長調のスケール(これはいっぺんに弾きやすくなります),属調であるイ短調,下属調であるロ短調などのスケールが混在します。

変化記号の付き方を整理しますと,
ニ短調(自然) B音♭ 
ニ短調(和声的)B音♭+C音♯ 
ニ短調(旋律的)B音♮+C音♯ 
ニ長調     B音♮+C音♯+F音♯ 
イ短調(自然) B音♮+C音♮+F音♮ 
イ短調(和声的)B音♮+G音♯ 
イ短調(旋律的)B音♮+F音♯+G音♯  
ト短調(自然) B音♭+E音♭
ト短調(和声的)B音♭+E音♭+F音♯ 
ト短調(旋律的)B音♭+E音♮+F音♯
となって,B音は♭になったり♮になったり,C音は♯になったり♮になったり,E音は♭になったり♮になったり,F音は♯になったり♮になったり,G音は♯になる事がある,といった感じでしょうか。変化記号がつかない音はDとAだけという事になります。

各変奏で,どのスケールを使っているか見極めていけば,多少とっつきやすくなりそうです。

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